ヨーロッパ

Vol.12 RoHS指令とは(欧州編)

【CE基礎特集】


CEマーク対応について調べていると、「RoHS対応は必要ですか?」「CEマークとRoHSは同じものですか?」といった疑問を目にすることがあります。

特に電気・電子機器をEUへ輸出する場合、EMC指令や低電圧指令と並んでRoHS指令への対応が求められるケースが多くあります。

今回は、CEマーク対応において重要な法規制の一つである「RoHS指令」について、その目的や対象、実務上のポイントを分かりやすく整理していきます。

RoHS指令とは

RoHS指令とは、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限するためのEU法令です。

正式には「Restriction of Hazardous Substances」の略で、日本語では「特定有害物質使用制限指令」と呼ばれています。

この指令の目的は、人や環境への影響を低減し、廃棄・リサイクル時のリスクを減らすことにあります。

CEマーク対象製品の中でも、多くの電気・電子機器がRoHS指令の適用範囲に含まれています。

なぜRoHS対応が必要なのか

電子機器には、はんだや樹脂、ケーブルなど様々な部材が使用されています。

一部の材料には鉛や水銀などの有害物質が含まれる可能性があり、製品廃棄時に環境へ影響を与えるおそれがあります。

RoHS指令は、こうした有害物質の含有量に上限を設けることで、環境負荷の低減を目指しています。

そのため、製造者は製品だけでなく、構成する部品や材料についても管理する必要があります。

制限されている物質

現在のRoHS指令では、主に以下の10物質が規制対象となっています。

  • 鉛(Pb)
  • 水銀(Hg)
  • カドミウム(Cd)
  • 六価クロム(Cr6+)
  • PBB(ポリ臭化ビフェニル)
  • PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)
  • DEHP
  • BBP
  • DBP
  • DIBP

重要なのは、最終製品全体ではなく、均質材料ごとに含有濃度が評価されるという点です。

そのため、完成品が小さくても内部部品やケーブルに規制物質が含まれていれば不適合となる可能性があります。

試験だけで対応できるわけではない

RoHS対応というと、「分析試験を実施すること」と考えられることがあります。

しかし実際には、試験だけで適合性を証明するわけではありません。

製造者は、サプライヤーから取得した材料証明書や適合宣言書、部品情報などを収集し、技術文書として整理しておくことが求められます。

つまりRoHS対応では、分析試験と文書管理の両方が重要になるのです。

CEマークとの関係

RoHS指令はCEマーキング制度の対象法令の一つです。

そのため、RoHS適用製品については、RoHS指令への適合も含めてCEマークの要求事項を満たす必要があります。

また、EU適合宣言書(DoC)には、RoHS指令を適用法令として記載することが一般的です。

EMC指令や低電圧指令だけを確認していて、RoHS対応を見落としてしまうケースもあるため注意が必要です。

よくある誤解

「仕入れた部品がRoHS対応だから完成品も問題ない」と考えられることがあります。

しかし、サプライヤー情報の妥当性確認や文書管理まで含めて製造者の責任になります。

また、「分析試験の結果があれば十分」と思われる場合もありますが、それだけでは技術文書として不十分になることがあります。

RoHS対応は単なる試験ではなく、サプライチェーン全体の管理活動として考えることが大切です。

まとめ

RoHS指令は、電気・電子機器に含まれる特定有害物質を規制するEUの重要な法令です。

CEマーク対応では、製品がRoHSの対象となるかを確認し、必要に応じて部品情報の収集、分析試験、技術文書の整備を進める必要があります。

特に複数のサプライヤーから部材を調達している場合は、早い段階から管理体制を整えておくことが重要です。

当社「海外認証PRO」では、RoHS指令への適合確認から技術文書作成、EU適合宣言書の整備までサポートしております。

ご不明な点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

次回のコラムでは、「CRA(Cyber Resilience Act)とは」をテーマに解説する予定です。
ぜひご覧ください。

無料相談はこちら