【CE基礎特集】
CEマークの対応を進める中で、「EMC指令」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、EMC試験やEMC規格など似た言葉も多く、何が違うのか分かりにくいと感じることもあります。
今回は、CEマークに関わる代表的な法令のひとつであるEMC指令について、基本から分かりやすく解説します。
EMCとは何か
EMCとは「Electromagnetic Compatibility」の略で、日本語では「電磁両立性」と呼ばれます。
簡単に言えば、電子機器同士がお互いに悪影響を与えず、正常に動作できる状態のことです。
私たちの身の回りには多くの電子機器がありますが、実はそれぞれが目に見えない電磁ノイズを発生させています。
EMCは、そのノイズによるトラブルを防ぐための考え方です。
電子機器はなぜノイズを出すのか
パソコンや通信機器、制御盤、測定器などの電子機器は、動作する際に電磁エネルギーを発生させます。
通常は問題にならないレベルですが、強すぎるノイズは周囲の機器へ影響を与える可能性があります。
例えば、通信障害や誤動作などの原因となる場合があります。
そのため、製品ごとに一定の基準を満たすことが求められています。
EMCで求められる2つの性能
EMCでは大きく2つの性能が求められます。
ひとつは、周囲にノイズを出しすぎないことです。
もうひとつは、外部からノイズを受けても正常に動作できることです。
つまり、自ら周囲へ悪影響を与えず、周囲からの影響にも耐えられることが重要になります。
EMC指令の目的
EMC指令は、EU域内で流通する電子機器が安全かつ適切に使用できる環境を維持するための法令です。
電子機器が増え続ける現代では、電磁ノイズによる問題が社会インフラや産業設備へ影響する可能性があります。
そのためEUでは、製品が一定のEMC要求事項を満たすことを求めています。
市場全体の安全性と信頼性を確保することが目的です。
CEマークとの関係
EMC指令は、CEマークに関連する法令のひとつです。
製品によっては、低電圧指令や機械指令など、他の法令と併せて対応が必要になる場合があります。
そのため、CEマーク対応では最初に適用される指令を整理することが重要です。
電子回路を搭載した製品では、EMC指令が関係するケースが非常に多く見られます。
どのような製品が対象になるのか
一般的には、電気・電子回路を使用する多くの製品が対象となる可能性があります。
例えば、産業機器、制御盤、電源装置、測定機器、情報機器などが挙げられます。
一方で、製品の用途や構造によって適用範囲は異なります。
判断に迷う場合は、製品ごとの個別確認が重要です。
EMC試験とは
EMC指令への適合を確認するために実施されるのがEMC試験です。
試験では、製品が発生するノイズの大きさや、外部ノイズに対する耐性を評価します。
専用の試験設備で測定を行い、結果を技術文書としてまとめます。
適用される規格や試験内容は、製品によって異なります。
よくある誤解
EMCについて説明する際によくある誤解が、「EMC=試験」という認識です。
実際には、EMC指令は法令、EMC試験は評価方法、EMC規格は試験基準を定めた技術文書です。
それぞれ役割が異なるため、区別して理解することが大切です。
この違いを理解することで、必要な対応内容も整理しやすくなります。
まとめ
EMC指令とは、電子機器同士が電磁ノイズによる悪影響を与えたり受けたりしないようにするためのEUの法令です。
CEマーク対応においては、多くの電子機器で関係する重要な法令のひとつとなっています。
適用される指令や規格は製品ごとに異なるため、早い段階で確認を進めることが重要です。
欧州向け製品のEMC指令やCEマーク対応でお困りの際は、海外認証PROまでお気軽にご相談ください。製品に応じた適用法令の整理から試験・認証支援までサポートいたします。
次回は、「UKCAマークとは」について、CEマークとの違いや対象製品、実務上の注意点を分かりやすく解説します。
ぜひご覧ください。