【CE基礎特集】
前回は、CEマーク対応で大切な「リスクアセスメント」の考え方について整理しました。
今回はその続きとして、実務でよく混同されやすい「CEマークに関する法令(指令・規則)」と「技術的な手段である規格」の関係について、全体像を見ていきます。
CEマーク対応では「まず規格を調べる」と考えがちですが、実際にはその前に、その製品にどのEU法令が関係するのかを確認することが出発点になります。
まずは「法令(指令・規則)」と「規格」を分けて考える
CEマークの話では、「指令」「規則」「規格」という言葉がよく出てきます。
規則と指令は拘束力のある法令であり、規格は法令適合を示すために使える手段です。
例としてこの3つを料理にたとえると、
規則と指令は「安全に食べられること」といったルールにあたり、規格は「その料理を安全に作るためのレシピや手順書」のようなものです。
レシピはとても役に立ちますが、レシピそのものがルールになるわけではありません。CEマーク対応でも同じで、まず見るべきなのは規則や指令であり、規格はそれに沿って進めるための助けになるもの、と考えると全体がつかみやすくなります。
また、規則と指令はどちらも法的なルールですが、指令のほうは、EUが示した内容を各国が国内法に置き換えて運用する点が特徴です。
そのため、規則より縛りがゆるく見えますが、守るべき目標が示されているという意味では、指令にもきちんと拘束力があります。
最近は、EU内での運用をそろえやすくするために、従来の指令を規則へ移す流れも見られます。機械分野でも、こうした流れの中で新しい枠組みへの移行が進んでいます。
CEマーク対応は、規格探しより先に法令確認から
規則/指令・規格の違いが分かると、なぜCEマーク対応で最初に法令確認が必要なのかも見えやすくなります。
まず確認すべきなのは「その製品にどの規則・指令が関係するか」です。
たとえば、電気・電子機器では、EMC、低電圧、RoHS、無線機器関連など、複数の法令が関係することがあります。
実務では、
- 適用される規則・指令を確認する
- その法令に合う規格や評価方法を整理する
- 試験、技術文書、EU適合宣言書、表示へつなげる
という順番で考えると、全体を整理しやすくなります。
細かいところは製品ごとに変わりますが、まずはこの流れをつかんでおくと、CEマーク対応の見通しが立ちやすくなります。
規格どおりで終わりではない
規格も、規則や指令と同様にCEマーク対応においてとても大切です。
序盤で述べたように、規格は、その製品が法令(規則・指令)の要求事項に合っていることを考えたり、説明したりしやすくするための手がかりになります。
設計や試験を進めるときにも、規格を見ながら整理していく場面は多くあります。
ただし、CEマーク対応で本当に大事なのは、「規格に合っているか」だけではありません。
料理のたとえで述べたように、最終的に求められるのは、その製品が関係する法令の要求事項をきちんと満たしていることです。
そのため、技術文書を整えたり、EU適合宣言書を作成したりといった対応も必要になります。
このあたりは、少し誤解されやすいところでもあります。
まず法令を確認し、そのうえで自社製品に合う規格を見ていく、という順番で考えることが大切です。
先にルール(規則・指令)を見て、そのあとで使いやすい規格を考える。
この順番でつかんでおくと、全体像が見えやすくなります。
大切なのは、自社製品でどう整理するか
ここまで、規則・指令と規格の関係について見てきました。
しかし、実際のCEマーク対応では製品ごとに確認すべき法令や規格が異なります。
そのため、自社製品では何を確認すべきかを初期段階で整理しておくことが重要です。
当社「海外認証PRO」では、貴社製品の仕様や想定用途に応じて、適用法令や関連規格の初期整理からサポートしています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
次回のコラムでは、「機械規則」について予定しております。
ぜひご覧ください。