こんにちは。グローバル戦略推進室です。

今回は「CEマーキングにおける製造者の義務」についてお話します。

CEマーキングにおける製造者の義務

あなたはEU(欧州連合)の法律の根本思想となっている「due deligence(デューディリジェンス)」に知っていますか?

「due deligence(デューディリジェンス)」?

何やら難しい言葉ですが、この言葉の意味を覚えておくことで、CEマーキングの法律である様々な指令の意味・意図が分かるようになり、そして、「CEマーキングにおける製造者の義務」が明確になりますのでぜひ、お付き合いください。

「due deligence(デューディリジェンス)」は通常、このように意味で使われます。

「due deligence(デューディリジェンス)」とは、ある行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する際に、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力のことで、転じて投資M&Aなどの取引に際して行われる、対象企業や不動産・金融商品などの資産の調査活動である。(wikipediaより)

意味が分かるような分からないような定義ですよね・・・。

でも、CEマーキングにおいては、上の文章のうち「ある行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する際に、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力」がとても重要な意味を持つのです。

なぜなら、法律的な要求事項であるCEマーキングは、製造者(または製造者の代理人)の自己責任が原則で成り立っており、その自己責任を検証する考え方こそが「due deligence(デューディリジェンス)」だからです。

EUの法律(指令)が求める「due deligence(デューディリジェンス)」とは、とても簡単に言ってしまえば、対象となる製品が適用をうけるすべての指令の要求事項を確認し、その要求事項を満たすための施策を実施し、その要求事項を満たしていることを証明するドキュメントを整備することにあります。

つまり、CEマーキングにおいて、製造者にとっての「due deligence(デューディリジェンス)」とは、対象製品が適用を受ける可能性のあるすべての指令を調査・確認し、理解し、そして指令の要求事項を確実に満たすことにあるのです。

では、その指令はどうすれば確認することができるのでしょうか?

こちらのウェブサイトから確認することができます。少しだけでもご覧ください。
↓↓↓
http://ec.europa.eu/enterprise/policies/single-market-goods/cemarking/professionals/manufacturers/directives/index_en.htm

いかがでしたか?

ご覧になってみて感じたと思いますが、英語表記に加えて法律的な専門用語がいっぱいで、はっきり言って難しいですよね。これを理解しろという方がおかしいですよね。

そこで、「日本語で調べた方がもっと簡単な情報が得られるのではないか」と思って調べてみると、たくさんの情報が出てきます。

でも、くれぐれもあなたに注意して欲しいことがあります。

日本語の情報の中には、たくさんの優れた情報もありますが当然、間違った情報も含まれています。ですので、勉強としてはいいかもしれませんが、会社として重要な意思決定を行う際は必ず一次情報である原典に当たってください。なぜなら、下記のようにEUの法令では「指令の原文しか法的拘束力を有しない」とされているからです。

本ガイドは、純粋なガイダンス文番となることを意図しており、EU整合法 自体の法文のみが法的に強制されます。

This is intended purely as a guidance document – only the text of the Union harmonisation act itself has legal force.

本ガイドは、純粋なガイダンス文番となることを意図しており、EU整合法 自体の法文のみが法的に強制される。

出典:The ‘Blue Guide’on the implementation of EU product rules 2014

どんなにあなたが信頼している人・組織であっても、どんなに人・組織であっても最終的には、あなたのCEマーキングについて責任を負うことはできません。CEマーキングについての責任を負うことができるのは下記のように、宣言をした製造者のみになります。

The manufacturer is any natural or legal person who is responsible for designing or manufacturing a product and places it on the market under his own name or trademark76. The deȏnition contains two cumulative conditions: the person has to manufacture (or have a product manufactured) and to market the product under his own name or trademark. So, if the product is marketed under another person’s name or trademark, this person will be considered as the manufacturer.The responsibilities of the manufacturer apply also to any natural or legal person who assembles, packs, processes or labels ready-made products and places them on the market under his own name or trademark. Further, the responsibility of the manufacturer is placed on any person who changes the intended use of a product in such a way that diȎerent essential or other legal requirements will become applicable, or substantially modiȏes or re-builds a product (thus creating a new product), with a view to placing it on the market77

製造者とは、製品の設計及び製造に責任を負い、自身の名称又は商標で製品を上市する、あらゆる自然人又は法人である。この定義は2つの条件からなる、製造者は製造し(又は製品を製造させ)なければならない、また、製品を自身の名称又は商標で販売しなければならない。そのため、製品が他の者の名称又は商標で販売されるならば、その者が製造者と考えられる。 この製造者の責任は、また、既製品の組立、梱包、加工、又はラベル表示を行い、自身の名称で製品を上市するあらゆる自然人又は法人にも適用される。更に、この製造者の貴任は、製品を上市する目的で、製品の意図された用途を、 異なった必須要求事項又は別の法的要求が適用できるように変更する、或いは、製品を実質的に改造又は再生する(即ち、新製品にする)あらゆる者にも適用される。

The manufacturer may design and manufacture the product himself. As an alternative, he may have it designed, manufactured, assembled, packed, processed or labelled with a view to placing it on the market under his own name or trademark, and thus presenting himself as a manufacturer78. Where subcontracting takes place, the manufacturer must retain the overall control for the product and ensure that he receives all the information that is necessary to fulȏl his responsibilities according to the relevant Union harmonisation act. The manufacturer who subcontracts some or all of his activities may in no circumstances discharge himself from his responsibilities, for example to an authorised representative, a distributor, a retailer, a wholesaler, a user or a subcontractor.

製造者は、自身で製品を設計及び製造することができる。また、その代わりに、製品を上市する目的で、設計、製造、 組立、梱包、加工、ラベル表示を委託し、自身の名称又は商標で自分自身を製造者として表示することもできる。 下請負契約を行う場合、製造者は、製品全体の管理を維持し、関連するEU整合法に従って責任を果たすために必要な全ての情報の入手を確実にしなければならない。一部又は全ての業務活動を下請負に出す製造者は、いかなる場合も、例えば、認定代理人、流通業者、小売業者、卸売業者、使用者又は下請負者に対する貴任を免れることはできない。

The manufacturer has sole and ultimate responsibility for the conformity of the product to the applicable Union harmonisation legislation, whether he designed and manufactured the product himself or is considered as a manufacturer because the product is placed on the market under his name or trademark.

製造者は、自分自身で製品を設計及び製造する場合も、又は、製品を自分の名称又は商標で上市するため製造者として見なされる場合も、いずれにせよ、適用できるEU整合法令への製品の適合について、唯一且つ最終的な責任を負う。

Thus, when a product is transferred to a manufacturer for further measures such as assembling, packaging, processing or labelling, when placing the product on the market, he has the sole and ultimate responsibility for ensuring the conformity of the product to the applicable legislation, and must be able to do so.

従って、組立、包装、加工、ラベル表示のような追加処置のために製品が製造者へ移転されるときに、また、製品の 上市時に、その製造者は、製品の適用指令への適合性に、唯一且つ最終的な責任を負い、そのような活動が可能でな ければならない。

The manufacturer is responsible for designing and manufacturing the product in accordance with essential or other legal requirements laid down by the relevant Union harmonisation legislation and for carrying out conformity assessment in accordance with the procedure(s) laid down by the Union harmonisation legislation.

製造者は、関連するEU整合法令で定められた必須又は他の法的要求事項に従って製品を設計及び製造し、また、EU 整合法令で定められた手続きに従い適合性評価を実施する責任を負う。

The manufacturer is obliged to understand both the design and construction of the product to be able to take the responsibility for the product being in compliance with all provisions of the relevant Union harmonisation legislation. This applies equally to situations where the manufacturer designs, manufactures, packs and labels the product himself, as to situations where some or all of these operations are carried out by a subcontractor.

製造者は、関連するEU整合法令の全ての規定に適合する製品について實任を負うことができるよう、製品の設計及び構造の両面を理解する義務がある。これは、製造者自身が製品の設計、製造、梱包及びラベル表示を行う場合であっても、一部又は全ての作業が下請負者により実施される場合であっても同様に適用される。

Union harmonisation legislation does not require the manufacturer to be established in the European Union. Thus, when placing a product on the Union market, the responsibilities of a manufacturer are the same whether he is established outside the European Union or in a Member State.

EU整合法令は、製造者がEU域内に設立されることは要求していない。従って、製品が上市されるとき、製造者の責任は、製造者がEU域外又は加盟国内に設立されていても同じである。

As a general rule, when placing a product on the market the manufacturer must take all measures necessary to ensure that the manufacturing process assures compliance of the products80 and in particular:

—般原則として、製造者は、製品を上市するときに製造工程が製品の適合を確実にするために必要なあらゆる措置を講じなければならない。

出典:The ‘Blue Guide’on the implementation of EU product rules 2014

旧ソ連の物理学者A・Bミグダルは「偽りの発見や情報」はつぎのような特徴を持っているので、簡単にチェックできると述べています。

「論文の著者は、問題となっている課題について専門教育を受けていない。同時代の科学上の著作を正確にきちんと引用しておらず、それほど事情に通じていない」

出典:A・Bミグダル (著)長田 好弘 (翻訳)『理系のための独創的発想法』東京図書、1992年

CEマーキングとは決して「技術の話」ではなく「法律の話」です。この例と同じように法律は、それまで積み上げられてきた知見と歴史の上に築かれるものです。現在の法律や先行業績を無視した巷に溢れる「独創理論」にくれぐれも注意してください。

はじめてCEマーキングに取り組む際はおそらく、あなた自身ですべてを行うことは困難を極めるでしょう。そこで、(当社も含め)様々な専門機関のサポートを得る必要が出てくると思いますが、その際は必ず専門機関の主張や見解、提供資料の出所や出典、参考文献を示すように要請し、自身でも確認するようにしてください。

それこそが、あなたが、CEマーキングにおける「製造者の義務」を自信を持って遂行することのできる唯一の道なのです。どうか、近道の誘惑には負けないでください。

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